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黒田スライダー

身体表現の可能性を探求し続けたい

Sportsperson
2019/09/02
インタビュー
  • 138
ダンス指導者、振付家
黒田なつ子
(体育専門学群 2005年入学)

高校生の時からコレオグラファー(振付家)志望だった。「創造すること、探求すること」に興味があったのだという。2012年には筑波大の同期と組んだデュオデュオで、世界的な振付コンペティションに選出し、日本人として初優勝。振付家としてのキャリアを重ねつつ、現在は中学高校の非常勤講師として若い世代に身体表現を伝えている。そこにはどんな思いが込められているのだろうか。

身体の使い方をバスケ部の友人と共有

ダンスを始めたきっかけを教えて下さい。

本当に小さな頃から、よく分からない踊りを、音楽が聞こえてきたら、踊っていた記憶があります。
3歳からクラシックバレエと水泳を始め、小学2年からはシンクロナイズドスイミングを始めるなど、小さい頃から自己表現することが好きでした。

中学で創作ダンス部に入部してからは、型にはまらない表現の可能性により魅力を感じるようになりました。

黒田8

当時、感じたダンスの魅力とは?

身近な存在としては、ダンス部のコーチの影響が大きいです。その先生が人間の本質的な点を身体で表現をしていて、とても魅力を感じました。
それまで学校で習っていたような型通りに踊るダンスとは違う、ダンスを通してその人の生き様を表現したり、ありのままを表現する、前衛的なコンテンポラリーダンスに惹かれていったことも理由の1つです。

振付家は、自分の思うイメージを好きなように身体を通して、空間を演出したり、息を吹き返したように身体をより生き生きさせられる魔法のような仕事だと感じました。

筑波大に入学を決めた理由は?

色んな学群がある筑波大なら、色んな人に刺激を受けながら創作活動、探求ができるのではないかと思ったからです。
私の時代は、隔離された環境だったので、創作活動に集中する時間ができ、人間的に成長できるのではないかと。

東京育ちなら、当時のつくばは衝撃だったのでは?

まだTXのない時代でしたから、東京に出る時は高速バスに乗って、渋滞を見越して予定時間の3時間前につくばを出ていましたね。

1年間過ごした宿舎はまるで監獄のようで(笑)、ベッドと水道しかない。洗濯機も時々壊れていて、トイレは水漏れしているような環境で「1年、生きていけるのかな……」と、心配になったことを覚えています。

今は、旧宿舎にアート作品を展示する試みもあり、今もその記憶が表現を通して、今の時代に残されていることは嬉しく感じます。

黒田11

筑波大学ダンス部はいかがでしたか?

魅力的な人が集まっていたと思います。
私は振付の勉強をしたかったということもあり、作品を創造することに重きを置いていました。周りからは「独特な作品を創るね」と言われていて、自分でも人とは少し違う価値観で作品創りに向き合っていたと思います。
先輩、仲間、後輩、部の活動から、生きて行く上でダンス以前の沢山の事を学ぶことができました。そして、今に至るまで一緒に人生を踊り続ける信頼できる、仲間にも出会うことができました。

大学時代、印象的な出来事はありますか。

4年の時に、世界で活躍している振付家である梅田宏明さんがダンサーへ振付を試みる初の振付作品に出演したことです。
私以外の出演者2人はフィンランド人で、年齢もだいぶ上でこれまでとはまた違った環境を経験できました。振付は、今まで培ってきた表現スタイルとは全く違って、非常にコアな振付でしたし、外国人と私とでは当然骨格が違いますから、動きのダイナミックさも圧倒的な差がありました。いかに乗り越えて行くべきかとても悩みましたね。

黒田12

その状態をどう打破したのでしょう?

人と比較せず、私は私なりの発展に集中しようと意識を切り替えることで、乗り越えようと思いました。

そこでリサーチしている動きや自身の悩みを同期で親友のバスケットボール部の有明葵衣さん(つくばウェイvol.127で紹介)と話しながら共有できたことも印象に残っていますね。有明さんとは、お互いの情報を共有し、そこからヒントを得て自分たちの競技に生かすなどして部活は違えど高め合ってきた仲間です。

異分野でも共通するものがあるとは面白いですね。では4年間で得たものとは?

人間力。これに尽きます。
日本にはなかなか見られない学園都市、そして様々な分野で高いレベルで探求、活躍、活動する人がいる環境に身を置けたことはとても刺激的でした。

ダンスの仲間だけにとどまらず、どんなに苦しい状況でも、一緒に心から前向きにその状況を楽しめる仲間がいた。筑波で過ごせた時間は一番貴重で、人生で最も心身成長できた場所でした。

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今も交流はあるのですか?

もちろん。表現の面では、作品を一緒に作っている人もいますし、最近では粕尾さん(つくばウェイvol.88で紹介)とも復興支援活動や、コラボレーションしてパフォーマンスをしたりもしました。

筑波大時代仲間は何かあった時に助けてくれる、そんな心強い存在でもあります。悩んでいる時は周りの人たちの活動に刺激を受けたり、「みんな、それぞれの道で頑張っているから、私も大丈夫!」と考えるだけで気持ちを前向きに持っていくことができます。

身体表現の可能性を未来に届けたい。

卒業後について教えて下さい。

卒業後は、先ほどお話した梅田弘明さんの作品やプロジェクトに長らく関わらせていただきました。また、自作の作品を振付をしたり、プロジェクトを企画したり、子供や学生向けのワークショップを開くなどしていました。

2012年には、筑波大時代に井田亜彩実と結成した「IDAKURO」として、国際的な振付コンペティション「インターナショナルスクール・フェスティバル・オブ・モダン・コレオグラフィ・ヴィデブスク」に参加し、世界各国から約40チームが参加する中、日本人として初優勝しました。小さな生物が必死に生きる様を表現したダンス作品を披露し、10年間「IDAKURO」の活動は続けています。

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現在の主なお仕事は?

2つあって、一つ目は振付の仕事、二つ目は教育活動です。

教育活動とは?

2016年から中学、高校でダンスを教えています。そろそろ子供たちに私が培ったものを提供する年齢になってきたのかなと。そんな思いを持つようになったことがきっかけです。
もともと興味のあった教育機関に飛び込んで、日本におけるダンス教育の実態を学び、探求しようと思い日々励んでいます。

なぜ教育に興味があったのですか。

「筑波大には、なぜ芸術学群の中ではなく、体育学群の中にダンスがあるのだろう」と、高校生から疑問に思っていました。
実際、現状、ダンスといっても、中学高校で教えられているダンスの内容は、場所によりますが、エアロビクスに近い、運動的な動きが用いられている現場もまだまだ沢山あります。

そういった体育的な動きだけではなく、ダンスの“表現の本質”を生徒に教えることはできないだろうかと。そのきっかけを一握りでも、私が提供できたら、日本の未来に貢献できるかもしれない。そんな気持ちで教育の現場にチャレンジすることにしました。

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では、今後について教えて下さい。

振付師として、作品を創り続けたいです。
私は作品を通して、常に、人類が今後どのように進化、或いは退化して行くのか問い続けてきました。その問いは常に作品に込められ続けて行くと思います。

探求心が強いので、大学院にいって身体表現について、よりコアに探求することに興味があります。

あなたの“つくばウェイ”とは?

誇り。
仲間の存在の心強さ、そして筑波大なら必ず何かが得られるという絶対的な確信が得られました。人生最後のキャリアが筑波大であることを誇りに思います。
これを読んでくれた先生、先輩、後輩、友人、仲間に、改めて心から感謝の気持ちを伝えたいです。

現役大学生や筑波大を目指す人に一言!

筑波大というブランドに期待するのではなく、筑波大で何ができるかを発掘して、自分の好きな道に進んでください。

黒田なつ子さんが所属する
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プロフィール
黒田プロフィール
黒田なつ子(くろだなつこ)
1986年東京都生まれ。物心をついたときからダンスを始め、高校時代には振付師になることを決め、筑波大学体育専門学群へ進学。在学中はダンサーとして、また振付師として様々な作品を生み出し、在学中につくった作品でインターナショナル・フェスティバル・オブ・モダン・コレオグラフィ・イン・ヴィテブスク」(IFMC)日本人初優勝。現在は振付師としての活動に加えて教育機関でのダンスの指導をするなど勢力的に活動している。
基本情報
出生年:1986年
血液型:O型
出身地:東京都中央区
出身高校:千代田女学園中学高等学校
出身大学:筑波大学 体育専門学群
所属団体、肩書き等
  • 振付家・ダンサー
筑波関連
学部:体育専門学群
研究室:舞踊研究室
部活動:ダンス部
住んでいた場所:天久保三丁目
行きつけのお店:te to te, ランプ
プライベート
ニックネーム:なっちゃん
趣味:スキューバダイビング
特技:潜水
尊敬する人:マザーテレサ
年間読書数:数はわからないです。色々な本を手にするようにしています。
心に残った本:谷川俊太郎「生きる」
心に残った映画:ジブリのナウシカが好きです。
好きなスポーツ:水泳
好きな食べ物:
嫌いな食べ物:なし
大切な習慣:感謝の気持ちを忘れないこと
座右の銘
  • Works of love are always works of peace -マザーテレサー

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