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スポーツは必ずしも勝利至上主義でなくていい

Sportsperson
2019/09/30
インタビュー
  • 140
ライター/フレスコボール日本代表
落合真彩
(体育専門学群 2009年入学)

幼少時代からスポーツに慣れ親しみ、体育への学びをさらに深めたいと筑波大へ。勝ち負けの世界に身を置きつつ、どこか納得しきれずにいたが、筑波大の恩師の言葉が気持ちをラクにしてくれた。“スポーツをとことん楽しむ”――その精神で現在、熱中しているのがブラジル発祥のフレスコボール。ライターとして活動する一方、女子日本代表としてトップに君臨する彼女の思いを聞いた。

ブラジル発祥フレスコボールとの出合い

筑波大を選んだ理由を教えて頂けますか。

小学時代はソフトボールで関東大会に出場し、中学ではソフト部がなかったのでバスケットボール部、高校ではソフトボール部に所属するなど、長年スポーツに親しんでいました。

高校で進路を考えた際、体育系の学部のある大学を調べたところ、私が興味のあることが学べる大学、かつ国立となると筑波大がいいのではないかと。筑波大なら勉強とスポーツの両立ができると思いました。

当時、将来について何か考えていましたか?

当時は将来の夢がなかったといいますか。体育以外に興味があることがなかったというのが実際のところで、レベル的にプロになろうとは思っていなかったので、トレーナーやアナリストとして、将来スポーツに関われたらいいかなと漠然と考えたぐらいですね。

大学に入学してみていかがでしたか。

推薦組にはスポーツで実績を上げて入学した人がたくさんいて、私は高校野球が好きだったので「甲子園に出た選手がいる!」と。すごいところに来たなぁとミーハーな気持ちで、推薦組には圧倒されました。

部活動は、ソフトボール部に。

部活のメンバーには初心者もいましたし、体育学群の学生よりも他学でソフト部出身という人のほうが多かったのですが、練習量は多くて。1年の時は週4日、朝7時から春日グランドでの朝練に参加し、授業を受けた後、火金は放課後も練習。土日も半日練習していたので、体力的、精神的に自分を追い込んだ4年間でした。

高校時代は特に夢はなかったとおっしゃっていましたが、大学に入学して将来の目標は定まりましたか?

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体育の先生になって高校野球の監督をやりたいだとか、トレーナーなりたい、プロになりたいという明確な目標を持っている友人たちに比べて、私はこれといったものが見つからず、就職活動の際には「一体、私は何がしたいんだろう」と悩みましたね。

悩んだ末に出た結論は、私はスポーツ自体が好きというより、スポーツによる教育的効果、人間的成長の部分に興味があるのだなということ。それならスポーツにこだわらず、人の成長を促すような仕事に就こうと、出版業界、教育業界を中心に試験を受けました。

2013年、明光義塾に就職。

1年目の終わりから2年間は長野県の教室を1つ任され、教室長として生徒を募集したり、講師である大学生や社会人のアルバイトの採用、講習のプランを立てるなどしていました。

仕事をやっていく上でビジネス書をたくさん読むようになり、私自身、本に啓発されて「人を成長させることをサポートしたいのなら、対象を子供に限る必要はない」と思うようになって。

社会人教育のためのビジネス書、自己啓発書を作る側に回れないかと出版社への転職を考えるようになりました。

転職活動は順調でしたか?

それまで文章を書く仕事をしていなかったので、経験者のみの募集が多い出版業界の現実はなかなか難しかったですね。その一方で、体専の後輩がやっているフレスコボールというスポーツに出合う機会があり、どんどんのめり込んでいきました。

フレスコボールとは?

ブラジル発祥のビーチスポーツで、ラケットを使ってボールを打ち合うのですが、打ち合う相手はペアなので、ようは味方同士。5分間で何回打てるか、そしてスピード感や技術点などが加算され、最終的な得点を他のペアと競います。

ブラジルでは70年以上歴史がありますが、日本に入ってきたのは2013年。現在のフレスコボール協会の会長がブラジル・リオデジャネイロでフレスコボールを観戦し、日本で広めたいと、スーツケースにラケットを一杯詰め込んで帰ってきたことが始まりです。

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競技人口は?

現在、日本国内には2000人以上います。世界での競技人口はよく分かりませんが、ブラジルだけでなく、イタリア、スペイン、イギリスなどで競技、遊びの両面で親しまれているようです。

どんな経緯で、フレスコボールをやることになったのですか。

その体専の後輩がペアを探していたことがきっかけでした。かつ、フレスコボールのジャパンオープン(全日本選手権)で初めて女子部門ができる年だったので、「だったら初代のチャンピオンを狙おう!」と。

まだ競技人口が少ないからチャンスがあるかもしれないということで、転職活動はとりあえず後回しにして、大会までの一カ月半、フレスコボールに集中することにしました。

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その結果、優勝。以降、今に至るまで女子日本代表としてトップに君臨しています。

最初の大会で優勝できたことは自信になりましたし、勝ち癖もつけられたんじゃないかなと。常にトップとして見られる中で試合をするのはプレッシャーもありますが、年々、技術的にも精神的にも成長していると思います。

競技の魅力とは?

ペアで協力してラリーを続ける競技なので、相手を打ち負かさないことですね。他の対戦スポーツのように、相手のいないスペースにボールを打って「よっしゃー!」というのがないから相手とギスギスしないですし、私の性格に合っていると思います。

パートナーへの思いやりも必要になってくるスポーツなのですね。

そうですね。自己ベストを目指すだけなので、相手との駆け引きがないというのは魅力的です。

ソフトボールと、どちらが自分に合っていますか。

完全にフレスコボールですね。フレスコボールに出会って、相手を打ち負かす、打ちのめすのは自分に向いていないと実感しましたし、他のスポーツをして、こちらのコートに打ち込まれて相手に「よっしゃ!」と言われることも、嫌な気分になるなぁと感じるようになりました。

フリーランスでも、走り出せばなんとかなる!

後回しにしていた転職活動はどうなったのでしょう?

ペアを組んでいた体専の後輩はフリーランスのパーソナルトレーナーとして仕事をしていたり、他の選手たちも時間に縛られない自由な職業の人が多かったので、その影響を受けて「サラリーマンじゃなくてもいいんだ」と、フリーランスのライターとして活動することにしました。

いきなりフリーランスとして活動するのは大変だったのでは。

最初は大変でしたが、始めて3ヵ月後ぐらいにライターの塾に参加したことで編集者さんやライターさんとつながりができて、仕事がもらえるようになりました。軌道に乗るまでにそれほど時間はかからなかったですよ。

具体的にどんなお仕事を?

ビジネス書の要約を有料で提供するサイトがあって、その会社と委託契約をしています。あとはPR会社から仕事を頂いて、広報や採用を目的とした企業や社員の“いいストーリー”を構成しています。

その他にも、編集プロダクションから依頼を受けてビジネス書を制作したり、マーケティング企業のサポートのためにメルマガを書いたりしています。

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ライターをする上で必要な能力とは。

人の話を聞く機会が多いので、相手の言うことを正しく感じ取る力は大事だと思います。相手がうまく言語化できなかった時に、ライターが代わりに言い表すことができる能力が必要なのではないかと。

技術を磨くために日々努力していることはありますか。

これまで文章を書く訓練はしてきませんでしたが、ビジネス書を月に10冊以上、6年間読み続けてきたので、言葉や表現力が身についているのと思いますね。

フリーランスとしてリスク、良さとは。

性格的なことでいうと、私はサラリーマンのほうが向いていると思います。でもフレスコボールという夢中になれるものに出会って「もっと成長したい」と、熱のあるうちにフリーランスライターという職業を始めたことが良かったのかもしれません。

自分で時間の調整をつけながら競技を続けられているので、すごく充実していますし、一見リスクのある職業のように見えますが、走り出したら走り出したでなんとかなる。なんとかなるように自ら動くようになる、そんな風に感じています。

やりがいを感じる瞬間とは?

フレスコボールでいうと、ただ自分の競技力を上げるだけではなく、マイナースポーツを盛り上げる普及活動をしているので、周囲の認知度が上がっているのを実感するとやりがいを感じますね。

普及活動としてライターとして培ったスキルを生かしてツイッターで情報を発信したり、フレスコボール選手にインタビューをしているのですが、ある媒体の方がフレスコボール選手を取材する際、私の記事を読んで事前に知識を深めてくれたことを知って嬉しく思いました。

仕事と競技を両立することで相乗効果は生まれていますか。

それぞれへの活力になることです。練習でクタクタになっても、同じ志を持った仲間とエネルギーを与え合うことが活力となり、仕事も頑張れるのだと思います。

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筑波大での学びが、今に生きていると感じることは?

体育経営学研究室だったので、スポーツのスポ魂や感動だけじゃなく、スポーツに詳しくない人から見えている一般的なイメージを知ることができたことは、今につながっています。

例えば、「勝利至上主義があるから、スポーツを嫌いになる人が増えている」とおっしゃっていた先生のお話を聞いて、そういう考えがあってもいいんだとラクになれて。

フレスコボールは「相手を打ちのめさないことが魅力」とおっしゃっていた話に結びつきますね。

そうですね。スポ魂でいうと、パートナーを組む選手にも「やればできるから頑張ろう」といった言葉を気軽に言うことはないですし、相手の話に耳を傾けながらコミュニケーションをとってペアとして向上していくことを意識しています。

もちろん自分で競技をする上で絶対に達成したい目標はありますが、それを相手に押し付けてはいけない。そういった思いは筑波大で培われたものだと思います。

あなたの“つくばウェイ”とは?

筑波大にいったからこそ、広い世界を知ることができました。多感な時期に視野を広く持つこと、世界を広く感じることは大事だと思います。

現役大学生や筑波大を目指す人に一言!

私は部活中心の生活で、経験値が少ないまま卒業してしまった後悔があるので、皆さんにはアルバイトでも勉強でも色んなことに興味を持って動いて欲しいですね。部活以外の何か経験を積めば、もっと自分に自信を持って卒業できるのではないでしょうか。

落合真彩さんが所属する
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プロフィール
otiaiプロフィール
落合真彩(おちあいまあや)
1990年神奈川県相模大野出身。幼少期よりソフトボールに親しみ、相模大野高校卒業後は好きを極めるために筑波大学体育専門学群へ進学。ソフトボールに打ち込んだ4年間を過ごし、就職。転職活動中に出会ったフレスコボールで持ち前の運動能力と負けん気を発揮し大会初出場で初優勝を飾る。日本代表として第一線で活躍しながらフリーライターとして二足の草鞋を履いて活躍中。2018年世界選手権3位。2019年9月、株式会社ナイスクと公式スポンサード契約を結び、選手としての活動の他、フレスコボールの普及にも尽力している。
基本情報
所属:株式会社ナイスク公式スポンサード選手
出生年:1990年
血液型:A型
出身地:神奈川県相模原市
出身高校:神奈川県立相模大野高校(現・相模原中等教育学校)
出身大学:筑波大学体育専門学群
筑波関連
学部:体育専門学群
研究室:体育経営学研究室
部活動:ソフトボール部
住んでいた場所:春日3丁目
行きつけのお店:がんこや、鳥吉
プライベート
ニックネーム:まーや
趣味:読書
特技:誤字脱字を見つけること
年間読書数:100~150冊
心に残った本:ありすぎて選べません・・・
心に残った映画:ドラえもん
好きなマンガ:スラムダンク、コナン
好きなスポーツ:フレスコボール、バスケットボール
好きな食べ物:肉、お米
嫌いな食べ物:えび、きゅうり
訪れた国:4か国
大切な習慣:不定期でも日記を書くこと

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