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今村スライダー

地方を元気にする活動を、カッコいい大人たちと共に

Entrepreneur
2019/04/22
インタビュー
  • 129
JIMCOM代表
今村 瑠璃
(体育専門学群 2004年入学)

高校時代は陸上でインターハイに出場。選手として第一線で活躍したが、筑波大で“自分の居場所”を模索し、プレイングマネージャーに転向した。いわゆる花形ではない立場と選手の両側で見た景色、感じたことが現在の仕事につながっている。現在、起業家としてウェブ制作事務所を経営する、その背景にはどんな思いが潜んでいるのだろうか?

自分の居場所を求めて、選手からマネージャーに

筑波大を目指したきっかけを教えて下さい。

小学生の頃からずっと、「教員になりたい」という目標を持っていました。

単純に人に教えることが好きで、「瑠璃の説明は分かりやすい」と言われることがうれしかった。そんな背景に加え、幼い自分より何でも知っている先生に憧れて、「こんなに素敵な先生たちと一緒に働きたい!」と思っていたんです。

具体的に筑波大を目指し始めたのは高校時代、筑波大出身の恩師の影響でした。

筑波大では陸上部に入られていますね。

小学4年から陸上を始めて、高校2年、3年でインターハイに出場。「もっと上を目指したい。強い選手がいる環境で練習がしたい」と思ったことも筑波大を目指した理由です。

推薦で大学にいけないかを模索していたのですが、一か八かに賭けるより、着実に勉強したほうが良いのではないかという恩師からのアドバイスもあって、3年のインターハイ後、猛勉強の末、一般入試で入りました。

今村8

大学での、競技は充実していましたか。

小学生の頃から目標にしていた全国大会出場を高校で達成しバーンアウト気味だったこと、受験で増えた体重を戻せなかったこと、その二つが響いて、なかなか良い成績を残すことができませんでした……。

選手としての価値を自分に見いだせず、“自分の居場所”を探すうちに、マネージャーとしてなら役に立てるかもしれないと方向転換していきました。

それまではどちらかというと表舞台の多い立ち回りでしたが、マネージャーとして、支える立場や裏方を経験してみると、「マネージャーはただの脇役ではなく、チームに必要な存在なんだな」と。パッと見の主役だけが世の中を作っているわけじゃないんだと気付かされました。

選手だった人が裏方に回るのは、つらい経験ではないかと想像しますが。

筑波大の陸上部は、主事(主務)専任ではなく、選手と主事を兼任するというプレイングマネージャー制を採用していたので、完全な裏方ではなく選手としても4年間過ごしました。

部員は250人いる大所帯で、予算規模も当時1,500万円という学生からしたら大金ですし、もちろん意思決定も一筋縄ではいかないし、と難しいことだらけで、マネージャーとしての活動は、組織を学ぶ上でとてもいい経験でしたね。

そんな経験を積むことで、ようやく自分の存在を自分自身で認めてあげられるようになり、そんな風に吹っ切れたおかげか、4年生の最後の関東インカレでは自己ベスト更新と入賞ができ、競技生活を良い形で終えられました。

これは部活だけではなく、どんな仕事にも言えることだと思うのですが、自分が属している組織の中で「仲間が自分に求めているものは何か」「この組織の中で自分にできることは何だろう」と追及したほうが、“自分の居場所”や“やりがい”が見つかるのではないかと思います。やみくもに自分のやりたいことを貫くよりも。

今村7

なるほど。

阪急・東宝グループ創業者の小林一三さんが、「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰も君を下足番にしておかぬ。」とおっしゃっているのですが、この言葉には感銘を受けました。

雑用だからこそ完璧にこなしていたら、別の仕事を任せてもらえるチャンスが訪れるかもしれないし、頑張りを認めてくれた人から引き上げてもらえる可能性もあります。

そういった気付きが、今の仕事につながっていると思います。

今のお仕事について教えて下さい。

企業や団体のウェブ制作をする事務所の代表を務めています。ウェブ制作とはいっても、ただデザインやレイアウトをするだけではなく、「私はその企業や団体の広報である」というスタンスをとり、ホームページで会社の良い部分を表現していることが、他のウェブ制作会社とは違う点でしょうか。

今村10

仕事をする上で、どんなことを意識していますか。

事業主のお話をじっくり聞いて、その思いが読み手に伝わりやすいようなHP作りを意識しています。ただ、きれいなデザインのHPを作っても、事業主の思いや、どんなことをやっているか、が分からないと効果が薄いと考えています。

それと、ご希望の方には納品した後のケアもしっかりと行います。指示待ちではなく、先ほどお話ししたように“広報の代理”という意識を持って、「こういう情報や文章を載せてみてはいかがですか?」といった提案をさせて頂き、どんどん新しい情報を発信していくことをお手伝いしています。

筑波大での“気付き”が今のお仕事につながっているとおっしゃっていましたが?

今の仕事で私自身は前面に出ませんが、その会社がホームページで価値を発信して収益を上げることができ、サービスを利用することで助かっている人がいる。その立役者に私がなれたら嬉しいという気持ちは、筑波大でマネージャーの立場を経験したからこそ培ったものです。

子どもたちを地域全体で育てるため、
まずは大人を元気に

そもそも起業されたきっかけは?

もともとは教員志望だったとお話ししましたが、大学時代に教育実習に行ったり、先生方と話したりする中で、学校や教員が置かれている厳しい状況を知り、教員になることよりも、それらの問題解決の方に関心が向いたんです。
どうにかして、教員の職場改善や子供たちの学ぶ環境を整えたい。教員としてではなく、外から別の方法で教員や子供たちをサポートできないだろうかと就職活動をし、その考えに共感してくれた都内のベンチャー企業に新卒で就職しました。

世の中には革新的で私たちの生活を一変させるようなサービスだけではなく、身近で私たちの生活を支えるようなサービスも沢山あります。
どうしても革新的なサービスに目が行きがちですが、そういった身の回りの、特にローカルサービスも大事なんじゃないか、それらがもっとスポットを浴びるにはどうしたらいいのだろう、という思いが社会人として働く中でずっとあって。
自分ができることがあると感じていました。

今村6

それで起業を考えた?

そうです。転職も含めた選択肢の中から、いろいろ考えた末に、
「地域の力を強くして子供たちを地域全体で育てる」、そんな環境作りなら一人からでも始められるのではないかと思ったんです。

地域の力を強くするとは?

大人を元気にすることです。学校の先生の業務が膨れ上がっている原因の一つに、地域社会の子供をサポートする機能の衰えがあります。そのサポートする立場である地域の大人に、まずは元気になってもらいたい、そのためには経済的な余裕を生むことが大事だと。
HP制作という形で経営をサポートして、とにかく大人、事業主に元気になってもらいたいと考えています。

経済的な余裕と心の余裕は少なからずリンクします。地域の大人たちにもっと心の余裕があれば、子供たちに目配りができる。そうやって地域で子供たちを見ることができるようになれば、教員の負担も少しは減るのではないか、と。ダイレクトではなくとも、自分の事業によっていいスパイラルを起こせるように、事業を行っています。

今村4

会社を辞めて起業することに不安はなかったですか?

当時29歳で、まだ失うものが何も無かったから起業に踏み切れたんだと思います。もし失敗したとしても、年齢的にもう一度就職できるとも思いましたし、漠然と30代前半で結婚したいと思っていたので、20代のうちに大きな挑戦をして、失敗するならしておこうと。そんな気持ちで起業しました。ちょっと計画的すぎるかもしれませんが(笑)

2014年に起業して5年目。事業は順調ですか?

おかげさまで。初めは、経営経験の乏しい私が経営者の先輩に向かって「こうしましょう」と伝えるのには勇気がいりました。今は、WEBや広報の専門家として日々勉強と実践を重ねているので自信をもって提案できるようになったと思います。
また、創業初期はすべてのことを自分で行っていたので毎日忙しくて休む暇もありませんでしたが、筑波大の情報系の学生や主婦など外注スタッフに業務の一部を任せるようにしたことで業務負担が減りました。学生にとっても大学で学んだことをアウトプットする機会にもなりますし、アルバイトにもなって一石二鳥なのではないでしょうか。

筑波大生との接点はどのように生まれたのですか?

学生時代から、就職課が主催している卒業生と学生の交流会に参加していて、社会人になってからも顔を出していた経緯があり、そのような場を使って学生にお手伝いをお願いしました。

「卒業生として学校や学生に貢献したい」――そんな気持ちで、私が彼らにできることはないかと日々模索しています。

今村3

つくばラーメンフェスタの実行委員長として地域にも貢献されていますね。

はい。つくば市商工会青年部という団体に所属していて、そこで主催しているつくばラーメンフェスタ2018(3日間・10万人の来場)の実行委員長を任せてもらいました。普段から青年部では事業や組織の広報を担当していて、ラーメンフェスタでも、入会してからずっと広報担当として関わってきました。

なぜ実行委員長に選ばれたのですか?

かなり熱心に入れ込んでいたのをみて、メンバーが「もうこいつに任せようぜ」、とノリで決まったんじゃないでしょうか?(笑)

2015年の秋、初めて主催者側で3日間のラーメンフェスタを終えた時から「こんなに大きなイベントを自分たちでやることができるんだ。カッコいい人たちだな。」と思っていたので、そんなみんなから打診を受けたのはうれしかったですね。

実際に引き受けてみて、大変なことも沢山ありましたが、メンバーが支えてくれたおかげで、事故も大きなトラブルもなく、例年通り沢山の来場者をお迎えし、無事に3日間を終えることができました。

自分の生活を送るだけではなく、こういった地域活動にも参加したいという思いもあって起業したので、それらが実現出来ている今は、とても充実しています。

今村9

大学時代から「自分に出来ることは何か」を突き詰めて今にたどり着いた、その先は?

「大人を元気にしたい」という私と同じ志を持った人がこの業界にもっと増えて、世の中がもっと良くなって欲しいです。そして、地域の皆で子供たちをサポートする、その実例を1つ1つ作っていきたいですね。

あなたの“つくばウェイ”とは?

求められることを一生懸命にこなすことで自分の役割・居場所は自然に見つかる、ということを、陸上部での経験を通して学びました。

現役大学生や筑波大を目指す人に一言!

やりたいことが分からない、やりたいことがやれない、と嘆く必要はありません。まず、求められていることを一生懸命やっていくこと、その先で、道が開けるはず!

今村 瑠璃さんが所属する
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プロフィール
今村プロフィール
今村 瑠璃(いまむら るり)
1985年福岡県久留米市生まれ。福岡県立八女高等学校出身。幼少期より始めた陸上競技で高校2年時にインターハイ出場し、2004年体育専門学群に入学。陸上部では副主事、主務をつとめる。卒業後、一般企業にて6年弱コンサルタントとして勤め、独立。2014年つくば市にてJIMCOMを創業。現在は名古屋とつくばの2拠点に拡大し活動中。2018年にはつくばラーメンフェスタの実行委員長として、大成功に終える。
基本情報
所属:JIMCOM
役職:代表
出生年:1985年
血液型:A型
出身地:福岡県筑後市
出身高校:福岡県立八女高等学校
出身大学:筑波大学体育専門学群
所属団体、肩書き等
  • つくば市商工会青年部
  • 筑波大学陸上競技部OB・OG会 幹事
筑波関連
研究室:体力学研究室
部活動:陸上競技部
住んでいた場所:春日4丁目
行きつけのお店:ふくろう じぶんかって くぼや
プライベート
ニックネーム:るり
趣味:旅行全般特にローカル線の旅(乗鉄)、カメラ
特技:大事な時はだいたい晴れ
年間読書数:30~50冊くらい
心に残った映画:ニューシネマパラダイス
好きなスポーツ:陸上競技部、ゴルフ(下手ですが)
好きな食べ物:チーズ、チョコレート、グミ
訪れた国:3カ国
大切な習慣:とりあえず悩み終わったら、前に進んでみる。
口癖は?:なるほど。いいね。
座右の銘
  • 明日は明日の風が吹く

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