「高校時代の彼女と同じ大学に行きたい」と筑波大を目指し、情報科学類へ入学。あまりにも意外性のある志望動機ながらも、筑波で育んだコミュニケーション力が、現在システムエンジニア(以下SE)として活かされているという。入社4年目、学生が親近感を持てる卒業生として“SEに求められる素質”など、ためになる話を聞かせてくれた。
軽い動機と思われるかもしれませんが、当時付き合っていた彼女、今は結婚して妻なのですが、高校時代に交際していた頃に、彼女が筑波大を目指していたから僕も目指したというのが正直なところです(笑)。
今思えば、無事に大学に合格して、しかも彼女と結婚できたので良かったと思います。
高校時代から理系だったので、大学も理系に絞って考えていたところ、なんとなく「情報系のことが得意かな」というぐらいの、これも軽い動機でしたね(笑)。
初めて大学に行ったのは試験前日だったのですが、敷地が広くて、何もない印象があって、入り口も分からなかったことを覚えています。
想像していた以上に色んな人が全国から集まっていて刺激を受けました。それまでは会ったことのないような一見変わった学生がいたり、特にテニスサークルで出会った友人たちとの交流は、筑波大に行って良かったと思えることの1つですね。
一の矢宿舎に住んでいて、すぐ近くにテニスコートがあったので、そのサークルに出入りするようになりました。僕はたまにしかコートに行きませんでしたが、いつ行っても誰かがコートにいる、そんな環境が心地良かったです。
サークル内には色んな人がいて、色んな価値観がありましたが、お互いの違いを受け入れる雰囲気があって。第一印象はあまり良くない人でも、時間をかけてしっかり向き合っていくと実際は良い人が多かった。表面上の関係で終わらせるのではなく、時間をかけて相手を知っていくという経験が、今の僕を築いていますね。
卒業して4年目になりますが、サークルの同期とはいまだに仲が良いんですよ。毎年、泊まりがけの旅行が開催されていて、去年は僕が幹事をしました。30人ぐらいのメンバーのうち15人ぐらいが参加します。近場は行きつくした感があるので、「次はどこにしよう?」と悩んでいるほどです(笑)。
入学の動機は不純だったかもしれませんが、筑波には良い思い出が多いので、卒業後も筑波山に登りに行ったり、文化祭に行ったりしているんですよ。
1,2年では何気なく授業を受けていた教授たちが、実はすごい人だったということに3年生で研究室を選ぶ時に気付いたことですね。聞いた話だと円周率の計算で当時の世界記録を樹立した教授や、スーパーコンピュータ「京」の開発に携わっている人がいらっしゃったり。最近は、国内最速のスーパーコンピュータを東京大学と共同運営されているそうです。
情報系だとソフトウェア、ハードウェアという2つの分類がありますが、基本にハードウェアという土台があり、その中でソフトウェアが動いていることを思うと、僕は土台を作るほうをやってみたいなと。分かりやすくいうと、スマホのアプリを作るというよりは、もっと基本的なこと、例えば通信がちゃんと安定するとか速くなるとか。そちらのほうに興味があって、ハードウェアに関する研究を選ぶことにしました。
情報科学類の学生はほとんどが大学院に進むので、そこは何の迷いもなく大学院へ。大学時代の延長で、ハードウェアについての研究を続けました。
それまで進路に迷ったことはなかったのですが、就職に関してはかなり悩みましたね。ハードウェアの業界というと半導体メーカーになるんですけど、僕が就職活動をしていた時は半導体メーカーの大企業でも景気が悪いといわれていた時代で、採用活動を中止した企業もあったりして……。企業からの「採用活動を中止する」という旨のメールを読んだときは、驚きました。
大学時代から、ものづくり的な作業といいますか、自分の手を使ってハードウェアを作ることに喜びを感じていたので、自社開発パッケージを持っていて、かつ一人当たりの生産性が高いエヌシーアイ総合システム株式会社なら、僕が大学で学んだことを活かせるかもしれないという思いで就職を決めました。
一言でいうと“業務システムの開発”ですが、何を開発しているかというと、最近よく耳にする“クラウド”というインターネットを通じてデータを保管したりアプリケーションを提供するサービスを使って、企業向けに業務システムを作っています。
以前は企業それぞれが自社でサーバーを持っていて、そこにデータを保管し社内ネットワークからアクセスしていたので、情報漏洩のリスクは低かったのですが、最近は導入コストの低さや、必要な時に必要なだけ使えるといったメリットから、グーグルが提供しているGoogle Cloud Platformなどのパブリッククラウドを使用する企業が増えています。
ただ、パブリックで利用されているものは占有ではないという点で、機密情報を保護する必要があるので、そのためにパブリッククラウドを利用しながらも独自のシステムを開発する。それが僕に求められていることです。
そのパブリッククラウドを専門に扱うようになったのは、2015年の夏、うちの会社の新領域として始まった新事業なのですが、僕1人が任され、あるベンチャー企業に常駐するようになってから、“任されている”という立場にやりがいを感じるようになりました。
最初は、ベンチャー企業の中に1人で飛び込んで文化の違いに戸惑うことや、相談できる人がいないなど苦労したこともありましたが、1年が経った頃、自分の中に責任感が生まれ、周囲からも頼りにされていると感じるようになって。
冗談でも、「落合さんが2人いたらな」と言って頂けると嬉しいですし、迅速に仕事を進めて、「じゃあ、これもお願いします」と任されるようになった今は、とても充実しています。
実はそうではなく、僕自身が「新しいことにチャレンジしたい」と立候補した経緯があるんです。若手ながら自ら手を挙げたことを会社が高く評価してくれたようで。そういった、やる気を判断してくれるのが、うちの会社の良さだと実感しています。
その他にも、社内プロジェクトの一貫として、色んな部署から希望者が立候補して新規事業を考える機会が与えられているなど社内にたくさんのチャンスが転がっているので、やる気次第でどんどん向上していける環境だと思います。
入社してすぐに、親会社のシステムに関する研究所で1年間勤務したことですね。そこでしっかりプログラミングの基礎を叩き込まれることも良い経験でしたし、先輩方に僕の細かいこだわりや、おかしいところをはっきり指摘していただいたことで、「SEは1人で成り立つ仕事ではなく、周囲とのバランスを取る柔軟性も必要だ」と気付かされた、良いきっかけになりました。
プログラミングには型があって、それを修得してしまえばいいと思われがちですが、一方で技術面はものすごいスピードで進化しているので、そこに迅速に対応するという意味でも、やはり柔軟性は必要だと思います。
そして、やはり大事になってくるのはヒューマンスキル。どんな仕事でもお客さんとのやり取りで、最終的に色々決まっていくものですから。
変なこだわりを持たないようにするのが、こだわりです。ちゃんとしたこだわりを持てるようになるには時間がかかりますから、それまでは変に偏ったこだわりを持たず、視野を広く持つこと、人からのアドバイスを受け入れることで自分自身の可能性がどんどん広がっていくと思います。
今は1人で現場を担っている立場ですが、いずれは理解し合える仲間を増やして、僕がプロジェクトマネジャーとして皆を引っ張っていけるようになりたいですね。自分のチームを持ち、万人に使ってもらえるような新しいシステムを開発して会社内外に発信していくことが、今後の目標です。
自ら動かないと始まらない。筑波大の自由な環境の中で、自ら動いて「周りを巻き込む!」という精神を学びました。
筑波大の恵まれた環境を活かすかどうかは自分次第なので、失敗を恐れず何事も積極的にチャレンジして欲しいです。失敗を受け入れてくれる雰囲気も、筑波大にはあります。
出生年: | 1988年 |
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血液型: | A型 |
出身地: | 京都府京都市 |
出身高校: | 京都府立嵯峨野高校 |
出身大学: | 筑波大学 |
出身大学院: | 筑波大学大学院 |
学部: | 情報科学類 |
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研究室: | HPCS研究室 |
部活動: | テニス (FOREST) |
住んでいた場所: | 一ノ矢宿舎、春日二丁目 |
行きつけのお店: | くぼや、ごう家 |
ニックネーム: | すぐる |
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趣味: | テニス |
特技: | ソフトテニス |
尊敬する人: | 妻 |
好きなマンガ: | 3月のライオン(羽海野チカ) |
好きなスポーツ: | テニス、野球、相撲 |
好きな食べ物: | 米 |
嫌いな食べ物: | チーズ、マヨネーズ、牛乳 |
訪れた国: | 8カ国 |
大切な習慣: | 皿洗い |
口癖は?: | たしかに! |
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