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ゆるく楽しくいられるように、仕事と家庭のバランスを取りたい

Professional
2024/05/13
インタビュー
  • 184
主婦、サーカスアーティスト、身体表現者
藤本莉加
(体育専門学群・2009年)

筑波大ダンス部で活躍した後、トルコへ流れつき、サーカスやリゾートホテルショーでパフォーマンス。そこで出会ったモルドバ人の男性と結婚し、2021年にロンドンへ移住した。サーカスの種目であるエアリアルストラップスのトレーニングに励んで、さらなる上を目指しつつ、忙しく働く女性たちに思うこと、そして主婦として見出した大切なことをお話してくれた。

トップレベルのダンス部で、魅せ方を学んだ

イギリス在住とのことですが、どんな活動をされているのでしょうか。

普段は基本主婦をしつつ、週2、3回、サーカスの演目のひとつであるエアリアルストラップスのトレーニングをしています。また役者としてもタレントエージェンシーに登録しているので、そのオーディションに参加したりしています。サーカスアーティストとして仕事の依頼が来れば、サーカスにパフォーマンスしに行きますし、役者としてのオーディションに通ったら撮影現場に行きます。
先日受けた友人のサーカスカンパニーのオーディションにも無事受かることができたので、5月からはリハーサルをして、ツアーに参加する予定です。

役者業のオーディションは興味があるものに自分から応募したりもしますが、基本的にはエージェンシーを通してリクエストがあり次第、セルフテープ、つまりスマホで課題に応じた演技を撮影して送るというものが第一段階です。
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サーカス以外のお仕事とは?

つい最近で言うと、セルフテープでのオーディションが通って実際に会って行われるオーディションに呼ばれ、それも通過することができたのでマクドナルドのコマーシャルの背景にいる人の役の仕事をしてきました。

オーディションで仕事を得るのは大変そうですね。

それ以外にも、舞踏のアクトをキャバレーでやったこともありました。

舞踏自体の存在を知ったのは、大学の舞踏研究室に入ったことがきっかけでした。実際にワークショップで初めて学んだのはイギリスに来てからで、今も勉強しつつ、キャバレーの自分のアクトナンバーを作って出演したりしました。

活動は多岐に渡っていますね。

少しずつロンドンのパフォーミング産業、アクターズ産業に食い込んでいるという実感はあります。こちらではワークショップ型のオーディションが主流なので、仕事にありつけなくても、ワークショップに参加するだけで勉強になりますし、ディレクターなどと直接会える良い機会になります。

日本にいた頃、コンテンポラリーダンスカンパニーのワークショップ型のオーディションを受けた時は有料なものが多かったのですが、こちらはオーディションは基本的に無料です。
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昔から人前に立つ事は好きでしたか?

幼稚園の年中さんの時、おばあちゃんに勧められて子役の事務所に入ったんですね。毎週日曜にレッスンがあって、演技、ダンス、体操、表現など色々教えてもらいました。今振り返れば、子供に対して少し厳しい指導もあったかなと思いますが、そこでメンタルが鍛えられたと思います。

自分自身のかかえていた心の傷や思い込みが解放されてきたということもありますが、日本に比べて周りからの圧が格段に少ないので、のびのびと私らしい表現がよりいっそうできるようになりました。

どういった経緯で筑波大に?

中学までは、母にそそのかされて境遇の良い薬剤師を目指していたんですね。ところが高校に入ったら周りの友だちがみんな薬剤師を目指していて。みんなと同じは嫌だな、と全く薬剤師に興味がなくなってしまったんです。

そこで、何か私にしかできないことをやろうと考え、私のユニークな点を探していたら、学校のスポーツテストで満点をとったので、これだ!と。体育の先生になろう、と思いました。化け物並みに頭の良い生徒たちもいる進学校だったため、自分は勉強では全くもってトップになれないけれど、体育でトップのところにいこうと筑波大体育専門学群を目指すことにしました。

中高バレーボール部だったので、一般入試の実技の主選択はバレーボールにしました。

大学でバレーボール部に入ったのですか?

結局、ダンス部に入ったんです。4歳から中学2年までクラシックバレエを習っていて、高校ではブレイクダンスも少しかじっていましたから。副選択の実技もダンスで受けていました。

ダンス部は全国でトップレベルですよね。

ダンス部のすごさを知らずに入ったので1年生の頃はまったく意味がわからず苦労しました。でも、そこでの経験があったからこそ、今、自分の演技を組み立てる時に客観的な目を持つことや、表現の中にドラマが見えるように構成することなどができていると思います。

ただパフォーマンスを見せるだけではなく、終わった後に皆さんに何かを感じ取ってもらえるように。と、そんなことを意識できているのは、筑波大ダンス部での学びがとても大きいです。
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卒業後から今に至るまでの経緯を教えて頂けますか。

卒業後、3か月ほどバックパッカーをして、その流れでトルコに住み始めました。5つ星、4つ星ホテルを回るキャバレーショーのグループに入ってダンサーとして活動をしていましたが、それは夏のシーズンだけの仕事でした。冬場の仕事として、リーダーのウクライナ人の女性に一緒にサーカスに働きに行かないか、と誘われたので、ついて行きました。それがサーカスとの出会いです。

どんな印象を受けましたか?

それまで一度もサーカスを見たことはありませんでしたし、自分がやるなんて思わなかったのですが、ダンサーよりサーカスアーティストの方がお給料が良いのと、ソロのパフォーマーとして自分1人の演技でお客様の反応をみることができることに興味が湧いて。

そんな時、ポールダンスの動画を見る機会があり、とりあえずこれに挑戦したいなと。サーカスの団員に溶接ができる人がいたので、ポールを作ってもらって、練習をしてトルコ生活最後の5年目はポールダンサーとして活動していました。
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主婦として心に余裕のある生活がしたい

トルコを出ることになった経緯とは?

主人に出会ったことがきっかけです。彼は自転車トライアルのショーのライダーで、私はそのショーグループでポールダンスと彼のアシスタントをしていました。

そのうちプライベートでもパートナーになり、二人でのアクトでクリスマスのドイツでの仕事も見つかったこともあり、夏の仕事が終わった段階でトルコを去り、主人の出身国モルドバ共和国を拠点にすることに。そして出会って1年が経つ頃、結婚したほうがモルドバの滞在許可を取りやすいという理由で結婚をしました。
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その頃の活動はいかがでしたか。

契約が取れ次第、ドイツなどのサーカスで夫のアシスタントとして働いていました。そのうちの一つの仕事のときに、ひょんなことからシルク・ドゥ・ソレイユでも働く女性アーティストにエアリアルストラップスの手ほどきを受けることになりました。そのときはこんなにエアリアルストラップスにはまるとは思ってもいませんでしたが…。

仕事は順調でしたが、2020年、仕事でブラジル滞在中にコロナが大流行。仕事は無くなるわ、飛行機が飛んでないからモルドバにも帰れないわという事態が起こって…。サーカス側が提供してくれている小さいながらも快適なキャラバンに住み続けることはできましたが、暑さのせいか、水が供給される大きなタンクが真緑になってしまって、シャワーを浴びている時に藻が出てきたり(笑)。

それは大変でしたね。

そんな環境で7ヵ月ほど暮らしました。結婚していて良かったと思ったのは、飛行機が再び飛ぶようになったとき、家族という証明が公式な文書でできたため、外国人である私もパンデミックの間、ずっと夫と一緒に国境間の移動ができ、モルドバに入国することができたことです。

今、結婚という制度を取らなくてもいいという人が多いですけど、非常時のことを考えると結婚はおすすめですね。国際カップルは特に。

そして、7か月ぶりにモルドバへ。

はい。帰ってすぐにルーマニアのタレント発掘番組『ゴッドタレント』シーズン11からお話が来て、夫婦揃って出演をしました。とても良い記念です。

ここからがイギリスに渡ったお話になるのですが、イギリスがEUから本当に離脱することになり、2020年12月31日までにイギリスにいないとEUのパスポートでイギリスに住めないということになりました。

主人は非EU加盟国の出身ですが、EU加盟国であるルーアニアの国籍も持っていました。以前から、トライアル自転車の競技の大きなコミュニティがあるイギリスに住むことが主人の夢だったため、2020年12月中旬に主人をロンドンに滑り込ませ、私は書類手続き諸々を経て、2021年の5月にロンドンへ拠点を移しました。

イギリス移住には、そういった事情があったのですね。

そうなんです。移住から数年が経ち、今、ようやくロンドンのパフォーマンス業界に入り込んできている実感があるので、パフォーマーとして名前をもっと浸透させたいと思っています。その一方で、実はあまり仕事を増やし過ぎないようにしたいなぁ、とも思っているんです。

それはなぜですか?

イギリスに住んでからは、仕事をバリバリするキャリアウーマンを目指すよりも、女性として生まれたことの意味や、主婦としてできることを考えるようになって。なんだか世の中に母性が足りてない気がしていて。

例えば私が本来自分がやりたくない仕事をして疲れていると主人と喧嘩することが増えてしまうので、経済面では基本的に主人に頼って働いてもらって、私はトレーニングしつつも、料理をしたり、洗濯をしたり、ゆったりする時間もあって、主人のケアもできるような心に余裕のある暮らしをしたいなと。いつか子供も…と考えると、バリバリ仕事もして家族にも100%の愛情を注いで、というのは私には無理ですね。
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女性の社会進出が高い北欧では青少年の非行率が増えている傾向にあるという報告もあります。

こっち(イギリスやドイツ)の女性の多くは経済的にも精神的にもかなり自立している印象を受けています。彼女たちは頭も良く、理論的で知識も豊富で強くて格好良いのですが、そんなに無理しないでもう少し男の人に頼ってもいいんじゃないかなと思うこともあるんです。そもそも男性と女性は体のつくりからホルモンバランスからそれぞれ異なっていて女性は毎月、重めのPMS(月経前症候群)になる方も多い。そんな女性たちが毎月数日間痛み止めを飲みながら、感情を抑えながらクールにコンスタントに働く社会環境は酷なんじゃないかって。女性の社会進出は確かに進んだのかもしれませんが、母性、女性性を許容している社会というわけではないのかもしれない。

社会全体が父性、男性性に傾いているように感じています。なので私はザ母性の主婦の重要性をこの場を借りて発信したい。かといって自分がやりたいことを諦めて女性は家庭に入れと言っているわけではなく、男性はしっかり働けと言っているわけではないのですが。

なるほど。海外で色んな女性、働き方に触れたからこそ、その答えに行き着いたのですね。

そうですね。自分のやりたいことをやりながら、日々楽しく、ゆるく生きること――それが私の目指すところですね。

あなたの“つくばウェイ”とは?

平和的に我を押し通すこと。周りからのアドバイスを、ふんふんと聞いておきながら、最後は自分のやりたいようにやる、そういったトレーニングができた4年間でした。

現役大学生や筑波大を目指す人に一言!

自分の枠を決めないで欲しい。私自身、学生の頃にサーカスやエアリアルストラップスに夢中になるとは思ってもいませんでした。ただ、目標を定めてそれに向かってまっしぐらになったからこそ、いざその目標を達成したときに、どうやらそっちではないと気付くことができる。なんか違うな、と思ったら変えていいという意味で、自分の枠は決めないで欲しいですね。
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藤本莉加さんが所属する
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プロフィール
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藤本莉加(ふじもとりか)
1991年、埼玉県さいたま市出身。幼少期から子役の事務所に入り、演技、ダンス、体操、表現などさまざまな文化に触れて育った。自分の長所である運動神経の良さを活かそうと筑波大学体育専門学群への進学を決意し、ダンス部では作品の構成や客観的な目を持つことの大切さについて学んだ。卒業後は、様々な国での経験や人との出会いを経て、現在はエアリアルストラップスやサーカスアーティストといったプレーヤーとして活躍する一方、女性としてまたは主婦としてどうありたいか、というテーマとも日々向き合っている。
基本情報
所属:フリーランス
出生年:1991年
血液型:B型
出身地:埼玉県さいたま市
出身高校:埼玉県立浦和第一女子高等学校
出身大学:筑波大学
筑波関連
学部:体育専門学群
研究室:舞踊研究室
部活動:ダンス部
住んでいた場所:天久保2丁目
行きつけのお店:菊乃や、どるふ
プライベート
ニックネーム:どるこ
趣味:編み物、縫い物、瞑想
特技:エアリアルストラップ、ハンドスタンド
尊敬する人:コジコジ
年間読書数:2〜5冊
心に残った本:アルケミスト、11分間(パウロ・コエーリョ著)
心に残った映画:ショコラ
好きなマンガ:ONE PIECE
好きなスポーツ:自転車トライアル
好きな食べ物:ラーメン、寿司
嫌いな食べ物:豚足
訪れた国:17カ国
大切な習慣:乾ブラシ摩擦、瞑想
口癖は?:かわいい〜
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